10本作って分かった、Remotionが向いた仕事と向かなかった仕事
ビフォーアフターの見せ方と、連載10本の結論です。1本だけ作るなら編集ソフトのほうが速いままでした。

この記事の結論
- 比べるものは並べず、同じ位置で切り替える
- 向いたのは「同じ型で何本も」の仕事
- 1本だけ凝るなら、編集ソフトのほうが速い
- 比べるものは並べず、同じ位置で切り替える
- 向いたのは「同じ型で何本も」の仕事
- 1本だけ凝るなら、編集ソフトのほうが速い
連載の最後に、比較の見せ方を1つと、10本作ってみての結論を書く。
並べると、目が往復する
最初は前と後を左右に並べた。見比べられると思ったが、実際にはどこが変わったのか探す作業になった。
左右に置くと、同じ部分を見るのに目を往復させることになる。往復している間に、片方の印象が薄れる。
同じ位置で切り替える
前と後を完全に重ねて置き、境目を動かした。目を動かさずに済むので、変わった部分だけが目に残る。
変わっていない部分は、境目が通っても何も起きない。見る側は差分だけを受け取ることになる。
境目の動かし方
最初の1秒は止めている。いきなり動かすと、どちらが「前」か分からないまま終わる。
- 最初の1秒は「前」を全画面で見せる
- 3秒かけて境目を右へ動かす
- 最後の1秒は「後」を全画面で見せる
動く時間より、止まっている時間のほうが大事だった。動いている最中は、どちらも落ち着いて見られない。
どちらを見ているか分かるようにする
左下と右下に札を置いて、境目の位置でどちらかを強調している。境目が半分を越えたら、強調が「後」に移る。
札がないと、途中から見た人はどちらがどちらか分からない。説明なしで分かる動画は、説明を画面に置いている。
公式の記述
向き不向きは、仕組みの説明そのものに出ている。公式ドキュメントはこう書く。「動画とは、時間に対する画像の関数である」。そして「Remotionの考え方は、フレーム番号と白紙のキャンバスを渡すことだ」。
つまりフレーム番号を入れると絵が決まるものが向く。数字が変われば中身が変わる図表、同じ型で量を作るもの、データから組み立てるものだ。逆に、その場の判断で画を決める作業は、関数として書けないぶん相性が悪い。
出典: Remotion「The fundamentals」(2026年10月12日確認)
ここから結論
10本作った。向いた仕事と向かなかった仕事がはっきりした。
向いた仕事
| 仕事 | 理由 |
|---|---|
| 同じ型で何本も作る | データを差し替えるだけで済む |
| 数字が変わる報告 | 前回と完全に同じ見た目にできる |
| 縦横の両方を出す | 中身を共通にして置き方だけ変えられる |
| 繰り返し使う素材 | 継ぎ目のない帯など、計算で正確に作れる |
共通しているのは「前と同じにすること」が求められる仕事だ。手作業だとここがいちばん難しく、コードならいちばん簡単になる。
向かなかった仕事
正直に書くと、こちらも多い。
- 1本だけ凝った映像を作る
- 実写の素材を切ってつなぐ
- 見ながら感覚で詰めていく作業
とくに3つ目が大きい。数字を変えて、書き出して、見て、また数字を変えるという往復になる。感覚で詰める作業には、編集ソフトのつまみを動かすほうが圧倒的に速い。
Claudeに頼むとき
スキルを入れておくと、動かない書き方が減る。ただし何を作りたいかは、こちらが決めないと決まらない。
「かっこいい動画を作って」と頼むと、かっこいいものは出てくるが、使い道のないものが出てくる。秒数・比率・入れる文字・色を先に決めてから頼むと、1回でほぼ完成した。
いちばん効いた作業手順
全部を書き出して確認するのをやめたことだ。
確認したいコマだけ静止画で1枚書き出す。数秒で終わる。動画を1本書き出すと1分かかるので、10回直せば10分が消える。この違いが、作業全体の速さを決めていた。
連載10本でかかった時間
動画10本と記事10本で、作業そのものは半日ほどだった。内訳は動画の作成が大半で、書き出しは全部合わせても10分かからない。
ただしこれは型が決まってからの時間だ。1本目の配色や文字の大きさを決めるのに、いちばん時間を使った。2本目以降は、その型を使い回している。
引っかかり続けた点
プレビューと書き出しで見え方が違う。プレビューは縮小表示なので、線の太さや文字の大きさの印象が変わる。
画面で良く見えたものが、実寸では太すぎたり小さすぎたりする。最終的な大きさで一度見るまで、判断してはいけない。これは最後まで慣れなかった。
あわせて読む
- Remotionを入れて、最初の動画を書き出すまでにやったこと — Reactで動画を書くRemotionを入れました。手順は2つですが、記事に書かれていない前提がいくつかありました。
- 半年で身についた作業の順番 — コードを書く作業の進め方が、固まってきました。
- 毎回手でやっていた作業を、AIに小さな道具を作らせて減らした — 月に数回の面倒な作業を、使い捨ての道具で片付けるようになりました。作る基準と、作らない基準の話です。
まとめ
Remotionは万能ではない。「同じものをもう一度」が要る仕事でだけ、はっきり速い。1本勝負の映像を作る道具だと思って入れると、確実に期待を外す。
このサイトでは、記事の紹介動画と縦型のショートを定期的に出す用途で使っていく。向かない仕事は、無理に寄せないことにした。
関連記事
RELATED
最新版で動かないとき、ひとつ前のLTSを試す。2014年の機械で確かめた
2014年のMacBook AirにLinux Mintを入れたら、最新版では内蔵SSDが認識されませんでした。切り分け…
エラーの内容を渡すときの形
エラー文だけ貼っても、原因にたどり着きませんでした。
場面のつなぎを自分で書いたら、尺の計算を間違えた
重なっている時間ぶん全体が短くなります。手で計算すると必ずどこかでずれるので、任せることにしました。