最新版で動かないとき、ひとつ前のLTSを試す。2014年の機械で確かめた
2014年のMacBook AirにLinux Mintを入れたら、最新版では内蔵SSDが認識されませんでした。切り分けの手順と、版を下げる判断の記録です。

この記事の結論
- 最新版(22.3)では内蔵SSDが認識されず、ひとつ前のLTS(21.3)で動いた
- 接続はできていて、ディスクの問い合わせだけが失敗していた
- 古い機械では、新しい版が常に良いとは限らない
- 最新版(22.3)では内蔵SSDが認識されず、ひとつ前のLTS(21.3)で動いた
- 接続はできていて、ディスクの問い合わせだけが失敗していた
- 古い機械では、新しい版が常に良いとは限らない
更新が止まった2014年のノートにLinuxを入れた。手順自体は短いはずが、インストール先が一覧に出てこないところで止まった。切り分けの過程と、最後にどう判断したかを残しておく。
起きたこと
USBから起動し、インストール先を選ぶ画面まで進んだところで次の状態になった。
- 内蔵SSDがパーティションの一覧に出ない
- 手動で指定しようとすると、インストーラーが落ちる
- 開き直しても、一覧は空のまま
ここでそのまま進めると、USBメモリ側にインストールされる。インストール先の欄がUSBを指していた。気づかずに完了させると、起動するたびにUSBが必要な状態になる。
1. まず、何が見えているかを確認した
画面の表示を疑う前に、OSから見えているものを直接出す。
lsblk出てきたのはUSBメモリだけだった。取り外し可能を示す列が 1 になっており、内蔵SSDは一覧そのものに存在していない。
この時点で、原因はインストーラーではなくその下の層にあると分かる。画面の問題なら、OSからは見えているはずだ。
2. 接続の段階まで降りて見た
次に、機器として認識されているかを見る。
lspci | grep -i -E "sata|nvme|storage|non-volatile"
sudo dmesg | grep -i ata1結果は次のとおりだった。
- SSDをつなぐ側の制御装置(AHCI)は認識されている
- 接続も成立している(
SATA link up 6.0 Gbps) - そのうえで
failed to IDENTIFYで止まっている
つまり線はつながっているが、相手が素性を名乗らない。断線や未接続とは別の状態だ。ここが分かると、疑う対象が一気に絞れる。
エラーの読み方として
見たのは「どこで止まったか」の1行だけだ。全文を読む必要はない。エラー文の読み方を覚えたら、AIに頼む回数が減ったに書いたとおり、最初の1文と、止まった位置が分かれば次に進める。
3. 設定で回避できないか試した
起動時のオプションで、ディスク周りの挙動を変えられる。接続方式に関する指定をいくつか足して起動した。
結果は変わらなかった。ここで設定で回避する線は消える。
この手の試行は、1つずつ変えて1回ずつ確かめる。まとめて指定すると、効いたのか効いていないのか分からないまま次に進むことになる。
4. 機械側が壊れていないかを確認した
切り分けの順番として、ここで元の環境に戻して確認する。元のOSからは、
- 型番が正しく表示される
- 自己診断の状態が正常
と出た。機械は壊れていない。同じ機械が、片方のOSからは見えて、もう片方からは見えない。
この比較ができるのが大きい。不具合を直す順番を決めたら、原因に辿り着くのが速くなったで書いた「どこまでは正常か」を切る工程が、ここに当たる。
5. 版を下げた
残った疑いはOSの中核部分(カーネル)と、この世代のSSDの組み合わせだけになった。そこで、ひとつ前のLTSである 21.3 でUSBを作り直した。
起動すると、内蔵SSDが一覧に出た。そのままインストールして完了。数時間かけた問題が、版を変えただけで消えた。
版の選び方として学んだこと
新しい版は、新しい機械に合わせて中身が整理されていく。その過程で、古い世代向けの例外処理が落ちることがある。落とした時点では誰も困らない。古い機械を持ち出したときに初めて出る。
結論としてはこうなる。
- 新しい機械 … 最新版を選ぶ。新しい部品に対応しているのは新しい版だけ
- 古い機械 … 最初からひとつ前のLTSで試す。最新版で詰まってから戻るより速い
版をいつ上げるかという判断は、OSに限らず同じ形で出てくる。新しい版が出たとき、いつ試すかの判断を決めたに書いた考え方と、起きていることは変わらない。
サポート期限を先に見る
版を下げる判断で気になるのは、いつまで更新が来るかだ。公式の一覧で確認できる。
| 版 | コードネーム | 土台 | サポート終了 |
|---|---|---|---|
| 22.3 | Zena | Ubuntu Noble | 2029年4月 |
| 22 | Wilma | Ubuntu Noble | 2029年4月 |
| 21.3 | Virginia | Ubuntu Jammy | 2027年4月 |
| 21 | Vanessa | Ubuntu Jammy | 2027年4月 |
21系も長期サポート版で、2027年4月まで更新が続く。下げたぶんの期限の差は2年。この機械を使い切る期間としては足りる。
版を下げるときは、先に期限を見て、許容できるかを決めてから下げる。期限を見ずに下げると、後で上げ直すことになる。
USBを作る段で詰まった点
書き込みに使う定番のソフトがエラーで動かず、紹介されている対処も効かなかった。標準で入っているコマンドで書いた。
diskutil list
diskutil unmountDisk /dev/diskN
sudo dd if=~/Downloads/linuxmint-21.3-cinnamon-64bit.iso of=/dev/rdiskN bs=4m
diskutil eject /dev/diskN番号を間違えると、作業に使っているパソコン側のディスクが消える。internal と表示されているものは選ばない。消す側の操作なので、実行前に番号を二度確認する。
書き込み中は何も表示されないが、Ctrl + T で進み具合が出る。約3GBで2分ほどだった。
書き込み後に「読み取れないディスク」という警告が出るが、別のOS用の形式なので正常。ここで「初期化」を押すと、作ったものが消える。
起動の選択画面にUSBが出ない
起動時にキーを押して選択画面を出しても、USBが出ないことがあった。順に試すと出てくる。
- 選択画面のまま少し待つ(表示が遅れることがある)
- 抜き差しする、反対側の口に挿す
- 設定の保持領域をリセットして起動する
- 元のOSの設定から起動ディスクとして選ぶ
設定画面でオプションを編集する場合、キーボードが英語配列として扱われる。記号の位置が普段と変わるので、入力できないときは配列を疑う。
無線が使えない
インストール直後、無線の一覧が出なかった。チップを確認して、対応するドライバを入れると使えるようになった。
lspci -nn | grep -i network
sudo apt install broadcom-sta-dkms手順として問題なのはドライバを入れるためにネットが要ることだ。スマホをUSBでつないで一時的に回線を借りると進む。先に知っていないと、ここで止まる。
更新中の「ロック」は待つ
更新の最中に別の導入を実行すると、ロックに関するメッセージが出続ける。これは先の処理の終了を待っている状態で、終われば自動的に進む。
検索すると「ロックのファイルを消す」という手が出てくるが、更新中にやると導入済みのものが壊れる。待つ以外の対処をしない。
入れた後の設定
版を下げて動かした以上、そのまま上げると元に戻る。
- 中核部分の系列を上げない — 更新の画面で新しい系列を勧められても入れない。同じ系列内の修正は入れる
- 22系へ上げない — 上げると、またディスクが見えなくなる可能性が高い
更新を止めるという意味ではない。穴を塞ぐ更新と、作り替えの更新を分けるという設定になる。
同じ形は他でも出る
「最新版で動かないので、ひとつ前で試す」は、この件に限った話ではない。
- 言語やフレームワークの版を上げたら、使っている拡張が対応していない
- 新しい版の管理画面で、既存の設定が効かなくなった
- 新しい機械向けの最適化で、古い環境の挙動が変わった
いずれも手元に同じ環境を作って先に試すことで避けられる。本番で試さずに済むよう、手元に同じ環境を作ったに、環境を揃えるときに合わせる項目を書いた。
まとめ
- 内蔵SSDが一覧に出ない。接続は成立していて、素性の問い合わせだけが失敗していた
- 設定での回避は効かず、機械側は正常だった
- ひとつ前のLTS(21.3)にしたら認識した
- 21.3 のサポートは2027年4月まで。下げても期限の差は2年
- 古い機械では、最初からひとつ前のLTSで試すほうが速い
- 入れた後は、中核部分の系列を上げない設定にする
出典
- Linux Mint「All versions」(各版のコードネーム・土台・サポート終了時期)
- Linux Mint「Linux Mint 21.3 Release Notes」
- Linux Mint「Download」
結果は機械の個体によって変わりうる。サポート終了時期は、上のページで最新の記載を確認すること。本記事は2026年10月12日時点の内容に基づく。
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