「27日正午までに100万ドル」。GMOへの脅迫で、利用者が期限までにやっておくこと
お名前.com デスクトップクラウドへの攻撃で、攻撃側が27日正午までに100万ドルを払うよう求めているとみられると報じられました。払わなければ利用者のPCのデータを公開か暗号化すると脅しています。GMOは応じない方針です。攻撃側の主張と確かな事実を分け、利用者が期限までにやっておくことをまとめます。

この記事の結論
- 攻撃側が10月27日(火)正午までに100万ドル(約1億5,000万円)を払うようGMOに求めているとみられる、とテレビ朝日系(ANN)が報じた。セキュリティ会社S&Jの分析による
- 攻撃側は利用者のPCのデータすべてにアクセスできた、バックドアを仕掛けたと主張し、払わなければデータを公開するか暗号化して壊すと脅している。ただし、これは攻撃側の言い分で、確かめられた事実ではない
- GMOは金銭の要求を受けたことを認め、「要求には応じません」としている。利用者は、期限の前にバックアップとパスワードの変更を済ませておきたい
- 攻撃側が10月27日(火)正午までに100万ドル(約1億5,000万円)を払うようGMOに求めているとみられる、とテレビ朝日系(ANN)が報じた。セキュリティ会社S&Jの分析による
- 攻撃側は利用者のPCのデータすべてにアクセスできた、バックドアを仕掛けたと主張し、払わなければデータを公開するか暗号化して壊すと脅している。ただし、これは攻撃側の言い分で、確かめられた事実ではない
- GMOは金銭の要求を受けたことを認め、「要求には応じません」としている。利用者は、期限の前にバックアップとパスワードの変更を済ませておきたい
「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスで、攻撃側の要求に期限が付いていると報じられた。このサイトでは第4報、第5報、熊谷代表のブログを追ってきた。今回の報道で新しく出たことと、利用者がやっておくことを整理する。
報じられたこと
テレビ朝日系(ANN)によると、サイバーセキュリティ会社S&Jが、攻撃側が公開したとみられるサイトを分析した。そこでは、攻撃側が次のように主張しているという。
- 利用者のパソコンのデータのすべてにアクセスできた
- 通常の認証を回避して内部に入れる「バックドア」を設置しており、今後もデータにアクセスできる
- 日本時間の27日正午までに100万ドルを払え。払わなければ、データを公開するか、暗号化して壊す
S&Jの分析そのものは、この記事を書いている時点で公開されていない。ここに書いたのは、報道が伝える攻撃側の主張である。
GMOが公式に認めていること
GMOは10月24日の第4報で、次のことを明らかにしている。
- 攻撃者とみられる者から金銭の要求を受けている
- 応じない場合、当社と利用者に関する情報を公開するなどの連絡を受けている。脅しの中身として、取引口座への不正操作の継続、サービスと、サービスに接続した利用者のPCに関する情報の公開と、ランサムウェア攻撃、GMOのシステムに関する情報の公開を挙げている
- 方針は「攻撃者からの要求には応じません」。理由は、払っても情報の削除や不正利用の防止が保証されないため。通信記録などを警察に出し、捜査を求めている
- 攻撃者が情報と称するものを公開する可能性があり、事実と異なる内容が含まれるおそれがある、とも注意している
金額と期限は、GMOは明らかにしていない。報道では、金銭の要求は認めたうえで、応じない方針を改めて示したという。
「PCのデータ」はなぜ狙われうるのか
攻撃側の主張が本当かどうかは分からない。ただ、仕組みとして考えておくべきことはある。
デスクトップクラウドは、手元のPCからリモートデスクトップでつなぐサービスだ。リモートデスクトップには、手元のPCのドライブやクリップボードを、接続先と共有する機能がある。Microsoftの説明では、ローカルのハードドライブやUSBの記憶域、クリップボードのやり取りは「双方向」とされている。共有をオンにしてつないでいる間は、接続先の側から手元のドライブが見えるということだ。
接続先のサーバーが乗っ取られていれば、そこから手元のPCのファイルに手が届きうる。第5報でGMOが「ご自身の端末の確認」と「データのバックアップ」を至急求めたのは、この点を踏まえた予防策と読める(ここは筆者の見方)。
期限までに、利用者がやっておくこと
GMOの第5報が求めていることを中心に、優先順にまとめる。
- 手元のPCのバックアップを取る。ランサムウェアで暗号化されても戻せるように、外付けのドライブにコピーしたら外しておく。つなぎっぱなしの外付けドライブは、一緒に暗号化されることがある
- ウイルス対策ソフトでフルスキャンする(第5報のお願い)
- 取引口座と取引ツールのパスワードを変える。変更は、FX取引に使っていない端末(スマホや別のPC)から行う。変えたあとも、証券会社・FX会社に頼んでログイン中のセッションをすべて切ってもらう
- 二要素認証を設定する。取引先が用意していれば必ず
- サーバーやブラウザに保存していたほかのサービスのID・パスワードも変える。同じパスワードを使い回しているところも
- 取引履歴と残高を確認する。覚えのない取引は、まず取引先の事業者へ
27日正午のあとに気をつけること
- 攻撃者を名乗る連絡には反応しない。メールのURLやファイルは開かず、返信もしない(第5報)。個人に直接「払え」と言ってくる手口もありうる
- 「流出したデータ」を探しに行かない。公開されたとされるファイルや、それを見られるとうたうサイトには、ウイルスや詐欺が混ざりやすい。GMOも、事実と異なる内容が含まれるおそれを指摘している
- 流出した情報を使った本物らしい詐欺が来ることを前提にする。取引先やGMOを名乗る連絡は、自分で公式サイトから問い合わせ先を開いて確かめる。GMOは補償の手続きで、パスワード(閲覧専用のものを除く)や暗証番号を尋ねることはないとしている
ほかのリモートデスクトップを使っている人も
今回のサービスを使っていなくても、リモートデスクトップで外のサーバーにつないでいるなら、接続の設定の「ローカル リソース」を一度見ておきたい。ドライブの共有は、必要なときだけオンにする。普段はオフにしておけば、接続先に何かあっても手元のファイルまでは届きにくい。
払わない、という判断
GMOは「払っても、情報の削除や不正利用の防止が保証されない」として、応じない方針を示している。身代金を払っても約束が守られるとは限らず、払えば次の攻撃の資金にもなる。政府も官邸主導で対策を急いでいるが、期限までに利用者が自分でできることは、壊されても戻せる備えと、盗まれても使わせない備えだ。
まとめ
- 攻撃側は27日正午までに100万ドルを求め、払わなければデータの公開か暗号化をすると脅しているとみられる(ANN、S&Jの分析)。主張の真偽は確かめられていない
- GMOは金銭の要求を認め、応じない方針。公開される情報には事実と異なるものが含まれるおそれがある
- 利用者は期限前に、外して保管するバックアップ、別の端末からのパスワード変更とセッションの切断、二要素認証を
- 期限のあとは、攻撃者を名乗る連絡に反応せず、流出データを探しに行かない
出典
- テレビ朝日系(ANN)「GMOに100万ドル要求か 攻撃側 27日正午までに」(2026年10月26日配信。S&Jの分析、攻撃側の主張)
- GMOインターネットグループ・GMOインターネット「お名前.com デスクトップクラウドサービスに対するサイバー攻撃について(第4報)」(2026年10月24日。金銭の要求、脅迫の内容、応じない方針)
- 同「ご利用のお客様へ改めてのお願い(第5報)」(2026年10月24日。端末の確認、バックアップ、パスワードの変更とセッションの切断)
- Microsoft Learn「リモート デスクトップ プロトコル経由での周辺機器とリソースのリダイレクト」(ドライブやクリップボードの共有が双方向であること)
本記事は2026年10月26日夕方時点の報道と公式発表に基づく。攻撃側の主張は確認されたものではない。「PCのデータ」が狙われうる理由についての記述は、一般的な仕組みからの筆者の見方である。最新の情報はGMOの公式発表で確認すること。
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