官邸が動く。それでも、自分のサイトを直すのは自分。PHPとGMOの件で政府がやること・やらないこと
PHPの脆弱性やGMOへの不正アクセスを受け、政府が首相官邸主導で対策を急ぐと報じられました。当面の中心は被害を受けた企業への技術支援で、能動的サイバー防御は慎重に判断するとされています。中小の会社がいま自分でやることを整理します。

この記事の結論
- 政府が、PHPの脆弱性やGMOなどへの不正アクセスを受けて、首相官邸主導で対策を急ぐと共同通信が報じた
- 当面の中心は被害を受けた企業への技術的な支援。GMOが求めた能動的サイバー防御の適用は慎重に判断するという
- 政府の体制ができても、自分のサイトの更新は自分でやるしかない。いまやることと、困ったときの相談先をまとめる
- 政府が、PHPの脆弱性やGMOなどへの不正アクセスを受けて、首相官邸主導で対策を急ぐと共同通信が報じた
- 当面の中心は被害を受けた企業への技術的な支援。GMOが求めた能動的サイバー防御の適用は慎重に判断するという
- 政府の体制ができても、自分のサイトの更新は自分でやるしかない。いまやることと、困ったときの相談先をまとめる
共同通信によると、政府は、プログラミング言語「PHP」の脆弱性や、GMOインターネットグループなどへの相次ぐ不正アクセスを受けて、首相官邸主導で対策の検討を急ぐ方針だ。政府関係者が10月25日に明らかにしたという。
企業活動や国民生活への影響が広がりかねないため、省庁を横断した対応が必要だと判断した、としている。
報じられていること
- 当面は、不正アクセスの被害を受けた企業への技術的な支援が中心になる
- GMOから要請を受けた能動的サイバー防御の適用は、慎重に判断する
- 高市首相は10月23日、自民党の国家サイバーセキュリティ戦略本部から、官邸に新たな対処本部を置くよう求める緊急提言を受け、「官邸主導で必要な体制を整備し、各省庁の対策を加速させる」と応じた
- 近く、関係する省庁を集めた会合を準備している
- PHPについては、修正の適用で再開したところもあるが、中小企業も含めて広く使われており、対応が遅れている事業者も多いとみられる
公式で確かめられたこと
首相官邸の「総理の一日」には、10月23日に自民党・国家サイバーセキュリティ戦略本部による提言申入れを受けたことが載っている。ただし、提言の本文や、新しい対処本部の中身は、この記事を書いている時点で公開されていない。
ここから先の体制は、続報を待つ必要がある。
能動的サイバー防御は、なぜ「慎重」なのか
GMOは第4報で、国に「能動的サイバー防御の発動第1号」として対応を求めていた。このサイトでは法律の条文を確かめて、次のことを書いた。
- 攻撃元を無力化する措置を行うのは警察で、原則としてサイバー通信情報監理委員会の承認が要る
- 条件には「人の生命、身体又は財産に対する重大な危害」が入っている
- ただし使うかどうかを決めるのは国で、企業が求めれば動く仕組みではない
- 関連法は2026年10月1日に施行されている(無害化の措置を含む)
攻撃元のコンピューターに国が手を入れる措置は、強い力を持つ。最初の適用が先例になる。「慎重に判断する」という報道は、この性格からすると自然だと思う(ここは筆者の見方)。
政府の対策が届くところ、届かないところ
| 政府の対策が向かうところ | 自分でやるしかないところ |
|---|---|
| 被害を受けた企業への技術支援 | 自分のサイトのPHPやプラグインの更新 |
| 省庁をまたいだ体制づくり | 使っているサービスの告知を確かめること |
| 攻撃元への対処の検討 | パスワードの見直しと多要素認証 |
官邸の体制は、起きてしまった被害への手当てと、国全体の守りを強くするものだ。あなたの会社のサイトを、誰かが代わりに更新してくれるわけではない。
中小の会社がいまやること
- 自分のサイトのPHPの版を知る。修正版は8.5.12 / 8.4.27 / 8.3.36 / 8.2.35。8.1以前は修正版が出ていない。外からの目安は簡易PHP診断でも出せる
- サーバー会社や制作会社の告知を見る。借りているサーバーなら、提供元がすでに更新していることも多い
- 直せないなら、止めるか作り直すかを決める。更新・停止・作り直しの考え方も参考にしてほしい
- 使い回しのパスワードをやめ、多要素認証を入れる。攻撃はAIで自動化されて、速くなっている
困ったときの相談先
- IPA 情報セキュリティ安心相談窓口:ウイルスや不正アクセスなどの一般的な相談
- JPCERT/CC インシデント報告:被害が起きたときの報告と、対応の調整
- 警察庁 サイバー事案に関する相談窓口:被害の届け出や相談(各都道府県警察の窓口の案内)
相談窓口は、どう対処するかを一緒に考えてくれる場所だ。実際の更新作業は、サーバー会社や制作会社、あるいは自分で行うことになる。
まとめ
- 政府は官邸主導で対策を急ぐ。当面は被害企業への技術支援が中心(共同通信)
- 能動的サイバー防御の適用は慎重に判断。警察が行い、委員会の承認が要る強い措置だ
- 官邸の記録で確かめられたのは提言申入れがあった事実まで。提言の本文は未公開
- 自分のサイトは自分で更新する。版を知り、告知を見て、直せないなら止めるか作り直す
出典
- 共同通信「政府、官邸主導で対策 不正アクセス、技術支援」(2026年10月25日配信)
- 首相官邸「自由民主党・国家サイバーセキュリティ戦略本部による提言申入れ」(2026年10月23日)
- 能動的サイバー防御の条件は、サイバー対処能力強化法・同整備法の条文による(詳しくはこちら)
本記事は2026年10月25日時点の報道と公式発表に基づく。政府の対策の内容は今後の発表で明らかになる。「慎重」の理由についての記述は筆者の見方である。
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