1タスク約30円という数字をどう受け取るか
DeepSeekが新しいモデルを公開し、上位モデルを超えるとする結果と、1桁以上安い費用を示しました。自社測定であることを含めて読みます。

この記事の結論
- 自社測定で上位モデルを超える結果を示した
- 1タスクあたりの費用が1桁以上安いとされる
- 第三者の検証はまだ無い
- 自社測定で上位モデルを超える結果を示した
- 1タスクあたりの費用が1桁以上安いとされる
- 第三者の検証はまだ無い
DeepSeekが新しいモデルを公開し、ベンチマークの結果と費用を示した。数字が目を引くが、どこまでが確かめられているかを分けて読みたい。
示されている数字
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総パラメータ | 5,520億(MoE構成) |
| 実際に動く量 | 入力時80億 / 出力時160億 |
| 配布 | 重みをMITライセンスで公開 |
| 入力の料金 | 100万トークンあたり0.15〜0.30ドル |
| 出力の料金 | 100万トークンあたり0.60〜1.20ドル |
| 時間帯 | 混雑する時間帯以外は半額 |
ベンチマークでは、エージェント関連の課題で上位モデルを上回る結果が示されたとされている。
1タスクあたりの費用は0.10〜0.20ドル程度、比較対象は2〜10ドル以上とされている。
自社測定である
記事にも注記されているが、示された結果はすべて同社自身による測定で、第三者による検証はこれからになる。
これは否定ではない。ただ発表する側が自分で測った数字であることは、押さえておく必要がある。
AIの新機能のニュースを読むとき、見出しより先に確認している3点に書いたとおりで、誰が測ったかは最初に見る項目になる。
「安い」をどう評価するか
1タスク30円前後という数字は確かに安い。ただ料金表の安さが、そのまま総額の安さになるとは限らない。
- 同じ課題を、何回で終えられるか — やり直しが増えれば、単価の差は消える
- 出力が長くなりがちか — 出力側のほうが単価が高い
- 人が確認する時間 — ここは料金表に出ない
3番目が実務ではいちばん大きい。安いモデルで3回やり直すより、高いモデルで1回のほうが安いことがある。
確かめ方
比べるなら、自分の仕事で同じ課題を流すしかない。
- 実際に頼んでいる作業を3つ選ぶ
- 同じ入力を、複数のモデルに投げる
- 使える状態になるまでの往復回数を数える
- かかった金額を合計する
3番目を数えるのが要点になる。1回あたりの単価ではなく、終わるまでの合計で比べる。
ベンチマークの読み方
示された課題はエージェント関連とされている。つまり指示を受けて、道具を使い、複数の手順をこなす種類の能力になる。
この種の指標は、普段の使い方とずれることがある。
- 何を測っているか — 文章を書く力とは別の能力になる
- 何回試した結果か — 平均なのか、最良なのか
- どの条件か — 使える道具や回数の上限で、大きく変わる
とくに3番目が効く。同じモデルでも、与える道具と試行回数で結果は動く。比較の条件が揃っていないと、数字だけ並べても意味がない。
順位が入れ替わるのは、もう普通になっている
新しいモデルが出るたびに順位は変わる。そのたびに乗り換えていたら、何も蓄積しない。
いつ試すかの判断は新しい版が出たとき、いつ試すかの判断を決めたに書いた。出た日に飛びつかないというだけで、振り回される回数はかなり減る。
重みが公開されている意味
もう一点、料金とは別に効く部分がある。重みがMITライセンスで公開されていることだ。
- 自分の環境で動かせる — 入力を外に出さずに済む
- 提供が止まっても、手元に残る
- 料金の改定に左右されない
ただし動かす側の負担は自分持ちになる。この規模を自前で動かすのは簡単ではない。
手元で動かすときに効くのは文脈をどれだけ保つかの部分でもある。重みが公開されていることと、自分で動かせることは別になる。
どこに入力するかは、別の判断になる
料金と性能で選ぶ前に、何を入力してよいかを決めておく必要がある。
これは提供元がどこかに関係なく当てはまる。仕事でAIを使うとき、入力してよい情報の線を決めたに書いたとおりで、線を引いてから道具を選ぶのが順番になる。
まとめ
- 自社測定で上位モデルを超える結果が示された
- 1タスクあたり0.10〜0.20ドル程度とされ、比較対象より1桁以上安い
- 第三者による検証はこれから
- 料金表の安さは総額の安さとは限らない。往復回数で変わる
- 比べるなら自分の仕事で同じ課題を流し、終わるまでの合計で見る
- 重みがMITライセンスで公開されている。ただし動かす負担は自分持ち
出典
- モデルの構成、ベンチマークの結果、料金、1タスクあたりの費用、重みの公開については、ビジネス+IT(2026年10月17日配信)の報道による
本記事は報道に基づく。示されている性能の数値は同社自身による測定として報じられたもので、第三者による検証は確認できていない。料金は変更される可能性がある。本記事は法的な助言ではない。
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