役割を与えるより、状況を伝えたほうが結果が良かった
「あなたは専門家です」と書くより、何のためにどう使うかを書いたほうが効きました。比べた記録です。

この記事の結論
- 役割の指定だけでは、言葉遣いが変わる程度だった
- 状況を書くと、中身が変わる
- 両方書くなら、状況を先に置く
- 役割の指定だけでは、言葉遣いが変わる程度だった
- 状況を書くと、中身が変わる
- 両方書くなら、状況を先に置く
指示文の冒頭に「あなたは〇〇の専門家です」と書くやり方は広く知られている。実際に比べてみると、期待していたほどの差は出なかった。代わりに効いたものを書く。
役割だけ指定した場合
同じ依頼に、役割の指定だけ足して比べた。
- 言葉遣いが、その分野らしくなる
- 専門用語が増える
- 内容の深さは、ほとんど変わらない
3つ目が肝心だ。知識が増えるわけではなく、出し方が変わるだけに見えた。
状況を書いた場合
役割を書かず、代わりに状況を書いた。
自分のブログに載せる記事を書いています。
読者はWeb制作の実務経験がある人です。
AIツールは使い始めたばかりという想定です。
検索して出てくる一般的な説明ではなく、
実際に試して分かったことを求めています。こちらのほうが、返ってくる内容が変わった。何のために、誰に向けて、何を避けるかが決まるからだと思う。
どちらも書く場合
併用するなら、順番がある。
- 状況を先に書く
- 役割は後ろに添える
- 役割は1行にとどめる
役割を先に書くと、その役を演じることが目的になる印象があった。状況が先なら、役割は調整として働く。
役割が効く場面
まったく無意味ではなく、効く場面もあった。
- 複数の立場から意見が欲しいとき
- 文体を揃えたいとき
- 専門用語を使ってほしいとき
1つ目は実用的だ。同じ内容を「読者として」「費用を出す人として」読ませると、違う指摘が出る。立場を切り替える道具としては機能する。
効かなかった指定
試して差が出なかったものも記録しておく。
- 「経験20年の」のような年数の指定
- 「世界的に有名な」のような権威付け
- 「優秀な」「最高の」といった形容
どれも判断の材料になっていない。年数を書いても、出てくる知識の量は変わらなかった。
状況に書く4項目
いまは、この4つを書くようにしている。
- 何に使うか。媒体と目的
- 誰が読むか。前提知識の程度
- 何を避けるか。一般論、断定、など
- どれくらいの量か
3つ目が最も効いた。避けてほしいものを1つ書くだけで、内容の方向が決まる。
読者の指定が最も効く
4つのうち、1つに絞るなら読者の指定だ。
- 初心者向けと書けば、前提から説明される
- 実務者向けと書けば、基礎の説明が消える
- 書かなければ、中間的な想定で書かれる
3つ目が普段の状態だった。誰にも合っていない説明になるので、どちらかに寄せたほうがよい。
長くしすぎない
状況を詳しく書けば書くほどよい、というわけでもなかった。
- 5行を超えると、効果が頭打ちになる
- 長いと、依頼の本体が埋もれる
- 矛盾した条件が混ざりやすくなる
3つ目に注意している。「簡潔に」と「詳しく」を両方書いていることがあった。
定型にして使い回す
状況の部分は、作業ごとに固定できる。
- 記事を書くとき用
- 調べ物をするとき用
- 人に渡す文章を作るとき用
3つ用意すれば、ほとんどの作業が通る。毎回書くのは依頼の本体だけになる。
人に頼むときと同じ
整理していて気づいたのは、人に仕事を頼むときの作法とほぼ同じだということだった。
- 相手の肩書きを決めても、仕事の内容は決まらない
- 誰に向けた、何のための成果物かを伝えると動ける
- 避けてほしいことを言わないと、後で手戻りになる
役割を与える書き方が広まったのは、効果が分かりやすいからだと思う。言葉遣いが目に見えて変わるので、効いた気がする。ただし変わったのは見た目で、判断の材料が増えたわけではない。この区別を意識してから、指示の組み立てが変わった。
確かめ方
自分の環境で効いているか、比べる方法を書いておく。
- 同じ依頼を、条件だけ変えて2回出す
- 結果を並べて読む
- どちらが使えるか、具体的な点で判断する
3つ目を具体的にするのが重要だ。「なんとなく良い」では、次に活かせない。
まとめ
- 役割の指定は、言葉遣いが変わる程度だった
- 状況を書くと、内容そのものが変わる
- 併用するなら、状況を先に、役割は1行で
- 4項目のうち、読者の指定が最も効く
- 年数や権威付けの形容は、差が出なかった
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