FC東京の公式サイトのURLのまま、詐欺サイトへ。サーバーに入られなくても、古いパノラマのページが入口になった

FC東京の公式サイトで、スタジアムの座席を360度で見られるパノラマのページが悪用され、公式サイトのURLのまま無関係の内容が表示されたり、外部のサイトへ転送されたりしていました。期間は9月13日から10月26日まで。サーバーへの侵入はなく、個人情報の流出も確認されていません。同じ種類の手口と、サイトを持つ側が見直すことをまとめます。

この記事の結論

  1. FC東京の公式サイトで、味の素スタジアムの席割図(座席の360°パノラマビュー)のページが第三者に悪用され、fctokyo.co.jpのURLのまま無関係の内容が表示されたり、外部のサイトへ自動で転送されたりしていた。転送先は詐欺サイトなどの可能性がある
  2. 期間は2026年9月13日19時53分ごろ〜10月26日11時ごろ。検索結果に、fctokyo.co.jpで始まる不審なリンクが出ていた
  3. クラブは、サーバーへの侵入を伴うものではないとし、個人情報の流出は確認されていないとしている。パノラマのページは公開を終了した
  • FC東京の公式サイトで、味の素スタジアムの席割図(座席の360°パノラマビュー)のページが第三者に悪用され、fctokyo.co.jpのURLのまま無関係の内容が表示されたり、外部のサイトへ自動で転送されたりしていた。転送先は詐欺サイトなどの可能性がある
  • 期間は2026年9月13日19時53分ごろ〜10月26日11時ごろ。検索結果に、fctokyo.co.jpで始まる不審なリンクが出ていた
  • クラブは、サーバーへの侵入を伴うものではないとし、個人情報の流出は確認されていないとしている。パノラマのページは公開を終了した

発表されたこと

FC東京の10月26日のお知らせによると、公式サイトの一部のページで使っていたプログラムを第三者に悪用された。

項目内容
対象のページ『味の素スタジアム席割図』(スタジアム座席の360°パノラマビュー)。/panorama/ 以下。英語版などの翻訳ページも含む
期間2026年9月13日19時53分ごろ〜10月26日11時ごろ
起きていたこと検索結果などに fctokyo.co.jp で始まる不審なリンクが出る。開くと、URLはそのままで無関係の内容が出る、または外部のサイトへ自動で転送される
個人情報第三者が細工したリンクで閲覧者を外へ誘導するもので、サーバーへの侵入は伴わない。流出は確認されていない
対応10月26日10時ごろに認識し、11時ごろに防止の措置。パノラマのページの公開を終了し、不審なリンクを可能な限り削除
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「入られていない」のに、なぜ起きるのか

クラブは、使っていたプログラムの名前や、悪用された仕組みの詳細は明らかにしていない。ここでは、同じ種類の手口として知られているものを紹介する(FC東京の件と同じものだとは確認されていない)。

2025年2月、セキュリティ研究者のOleg Zaytsev氏が、「360XSS」と名付けた大規模な悪用を報告した。360°のバーチャルツアーを作るソフトkrpanoの古い脆弱性(CVE-2020-24901)を突いたもので、政府、大学、報道機関、大企業など350を超えるサイトで、正規のドメインのままスパム広告や不審なページを表示させていたという。

仕組みはこうだ。

  • パノラマのページは、URLに付けた値で、どの設定ファイルを読むかを変えられる作りになっていることがある
  • 攻撃者は、その値に自分の用意した設定やスクリプトを指定した細工したURLを作る
  • そのURLを開くと、正規のドメインのページの中で攻撃者の内容が動く。サーバーのファイルは書き換わっていない
  • 細工したURLを大量に作って検索エンジンに拾わせる。信頼されたドメインなので、検索結果の上位に出やすい(SEOポイズニング)

krpanoの開発元は1.22.4版で、URLの値から外部のファイルを読めないようにする修正を入れた。利用者には、最新版への更新と、URLの値を設定に渡す「passQueryParameters」を無効にすることが勧められている。

見た人がやること

FC東京のお願いは次のとおり。

  1. 公式サイトのURLであっても、検索結果やSNSでいつもと違うタイトルや不審な文字列のリンクは開かない
  2. 転送先の不審なサイトでカード情報を入れた人は、すぐカード会社へ
  3. IDやパスワードを入れた人は、同じものを使うほかのサービスも含めて変更
  4. 氏名や電話番号を入れた人は、不審なメール・SMS・電話に注意
  5. クラブからのお知らせは、公式サイトのトップと公式Xで確かめる

「公式のドメインだから安全」とは限らない。URLの後ろに見慣れない長い文字列が付いていたら、まず疑いたい。

サイトを持つ側が見直すこと

ここは筆者の見方だ。今回のようにサーバーに入られていなくても、サイトの信用は使われてしまう。しかも、気づくまでに1か月半かかっている。

  • 古い部品を棚卸しする。パノラマ、スライダー、ギャラリー、地図、昔のキャンペーンページ。作った当時のまま更新されていないJavaScriptの部品は、今回のような入口になりうる。使っていないものは消す
  • 検索結果を定期的に見る。Google Search Consoleで、見覚えのないURLが登録されていないか、検索のキーワードに無関係な言葉(ギャンブル、成人向け、薬など)が出ていないかを確かめる。「site:自分のドメイン」で検索するだけでも分かることがある
  • URLの値で、読み込むファイルを変えられる作りは避ける。どうしても必要なら、読み込める場所を自分のサイトの中に限る
  • 制作会社に任せたページほど忘れられやすい。誰が更新の責任を持つのかを決めておく

今週はStudioのフォームやツクツク!!!の入力画面のように、サイトの一部分が入口になる事件が続いた。サイト全体ではなく、部品ひとつずつの点検が要る。

まとめ

  • FC東京の公式サイトのパノラマビューのページが悪用され、公式のURLのまま無関係の内容表示・外部への転送。9月13日〜10月26日
  • サーバーへの侵入はなく、個人情報の流出は確認されていない。ページは公開終了
  • パノラマのソフトkrpanoの古い脆弱性を使った「360XSS」という同じ種類の手口が知られている(FC東京の件との関係は未公表)
  • サイトを持つ側は、古い部品の棚卸しと検索結果の定期的な確認を
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出典

本記事は2026年10月27日時点の公式発表に基づく。FC東京が使っていたソフトや悪用の詳細は公表されておらず、360XSSとの関係は確認されていない。「サイトを持つ側が見直すこと」は筆者の見方である。

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北海道のWEB屋

北海道を拠点に、Web業界14年・サポート実績1,000件以上。WordPressの復旧、サーバー移転、独自ドメインとメールの設定、PHP・JavaScriptの修正まで対応します。相談と見積もりは無料です。

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