マネーフォワードの問い合わせフォームも。ノーコードの「Studio」に不正アクセス、暗号化していた中身も鍵ごと読まれた

マネーフォワードが、サイト制作サービス「Studio」への不正アクセスで、グループ5社のお問い合わせフォームの入力が流出した可能性があると発表しました。Studioでは、すべての利用者のフォームの送信内容やAPIキーなどが対象で、暗号化していたものも、復号の鍵ごと読み出されました。Studioでサイトを持つ会社がやることをまとめます。

この記事の結論

  1. マネーフォワードが10月26日、グループの一部のサイトで使っていたサイト制作サービス「Studio」への不正アクセスにより、5社のお問い合わせフォームの入力(合計8,109件)が流出した可能性があると発表した。『マネーフォワード クラウド』などのサービス本体への影響はない
  2. Studioの発表によると、Studioに登録しているすべての利用者について、フォームに送信された内容、外部サービスのAPIキー、パスワード保護ページのパスワードなどが流出した可能性がある。暗号化していたものも、復号の鍵が同じ不正アクセスで読み出された
  3. Studioでサイトを作っている会社は、マネーフォワードと同じように、自社のフォームに送られた情報の扱いを決める必要がある。お問い合わせを送った人には、サイトの運営者から連絡が来ることがある
  • マネーフォワードが10月26日、グループの一部のサイトで使っていたサイト制作サービス「Studio」への不正アクセスにより、5社のお問い合わせフォームの入力(合計8,109件)が流出した可能性があると発表した。『マネーフォワード クラウド』などのサービス本体への影響はない
  • Studioの発表によると、Studioに登録しているすべての利用者について、フォームに送信された内容、外部サービスのAPIキー、パスワード保護ページのパスワードなどが流出した可能性がある。暗号化していたものも、復号の鍵が同じ不正アクセスで読み出された
  • Studioでサイトを作っている会社は、マネーフォワードと同じように、自社のフォームに送られた情報の扱いを決める必要がある。お問い合わせを送った人には、サイトの運営者から連絡が来ることがある

マネーフォワードの発表

マネーフォワードは10月16日、Studio社から不正アクセスの報告を受けた。対象は、Studioで作ったサイトに置いていたお問い合わせフォームに入力された情報だ。

会社フォーム件数
マネーフォワード採用サイトのお問い合わせ4,150件
マネーフォワードケッサイサービスサイトのお問い合わせ2,984件
マネーフォワードホームコーポレートサイトのお問い合わせ713件
マネーフォワードエックスコーポレートサイトのお問い合わせ257件
アウトルックコンサルティング採用サイトのお問い合わせ5件

対象の項目は、氏名、企業名、メールアドレス、電話番号、お問い合わせ内容など、フォームに入力したもの。採用選考の応募情報(履歴書など)は対象外としている。マネーフォワードは、Studio上のフォームをすべて止めて別のシステムに切り替えた。対象者には10月26日から順次メールで知らせている。

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Studioで何が起きたのか

Studioは、コードを書かずにWebサイトを作れるサービスで、企業のコーポレートサイトや採用サイト、サービスサイトに広く使われている。Studio社の第一報(10月16日)によると、経緯はこうだ。

  • 9月30日〜10月1日:第三者が一部機能の脆弱性を悪用して、Studioのクラウド環境に不正にアクセスし、環境内のデータを外部から取得できる状態にした
  • 10月13日:社内の調査で確認
  • 10月13日〜14日:脆弱性を修正し、経路を塞いだ

実際に取得された事実は確認できていないが、取得されたものとみなして対応している。データの改ざんや削除は確認されていない。

流出した可能性のある情報(すべての利用者)

  • Studioのアカウント情報(ユーザー名、メールアドレス、ハッシュ化されたパスワードなど)
  • デザインエディタやCMSの内容、フォームに送信された内容、reCAPTCHAの設定、Webhookの通知先URL
  • 公開前のページを見るためのライブプレビューのURL
  • 外部サービスのAPIキーやトークン、パスワード保護ページのパスワード(ハッシュ化)、Googleスプレッドシート連携の認証情報、カスタムプロキシのキー

重要なのはここだ。フォームの送信内容やAPIキーなどは暗号化して保存していたが、復号に必要な鍵も同じ不正アクセスで読み出されたため、内容を知られた可能性がある、とStudioは書いている。

フォームの回答は、ゴミ箱に移しただけのもの、ライブプレビューでのテスト送信、プランの上限を超えて表示されなかった回答も含まれる。一方、「フォームの結果をStudioに保存」を無効にしていた間の回答、9月30日より前に完全に削除した回答、Googleフォームなど外部のフォームを埋め込んでいる場合は含まれない。

Studioでサイトを持つ会社がやること

Studioの案内をもとに、運営者がやることをまとめる。

  1. Studioのパスワードを変える。ほかで同じパスワードを使っているなら、そちらも。GoogleやFacebookのログインだけなら不要
  2. ライブプレビューのURLを削除し、必要なら発行し直す
  3. API連携のキーやトークンを切り替える。Studioに登録していた外部サービスの側で、古いキーを無効にする
  4. パスワード保護ページのパスワードを変える
  5. Googleスプレッドシート連携をやり直す(Studioで解除→Googleの「リンク済みアプリ」でStudioのアクセス権を削除→連携し直す)
  6. Webhookの通知先URLを切り替える。URLそのものが鍵の役目をしている通知先は特に
  7. フォームの送信内容について、自社のお客さまへの連絡と、個人情報保護委員会への報告を決める。Studioは、フォーム利用者向けに報告の案内を出している

機能ごとの必要な対応は、プロジェクトのオーナーに個別のメールで届いている。届いていなければ、Studioの窓口に確かめたい。

フォームを送った人が気をつけること

  • どこかの会社のお問い合わせフォームや採用サイトのフォームに送った名前や電話番号、相談の中身が対象になっているかもしれない。運営者から連絡が来たら、内容を確かめる
  • 相談した中身を知っている「本物らしい」連絡に注意する。「先日のお問い合わせの件で」と始まるメールでも、リンクからログインやカード情報の入力を求められたら疑う

この件から考えたいこと

ここは筆者の見方だ。

  • 暗号化は、鍵と一緒に盗まれたら意味がない。データと鍵を同じ場所から読める状態だと、入られたときにまとめて読まれる。鍵は別の仕組み(鍵の管理サービスなど)で守り、取り出す権限を絞る
  • フォームの回答を、サービスの中にためない。メールや自社のシステムに送っているなら、「Studioに保存」をオフにする選択肢がある。ゴミ箱も完全に削除しないと残る。持っていなければ漏れない
  • 便利な連携ほど、鍵が増える。APIキー、スプレッドシート連携、Webhook。連携先ごとに、どのキーをどこに預けているかを一覧にしておくと、今回のようなときにすぐ切り替えられる

ノーコードのサービスは、作る手間を大きく減らしてくれる。その代わり、サービスが入られると、その上の全サイトのフォームが一度に対象になる。今週のユミルリンクと同じ構図だ。なお、Studio社の発表は、対象の範囲と運営者がやることを具体的に書いていて、受け取った側がすぐ動ける内容になっている。

まとめ

  • マネーフォワードの5社のお問い合わせフォーム(8,109件)が、Studioへの不正アクセスで流出の可能性。サービス本体は無事
  • Studioではすべての利用者のフォームの送信内容やAPIキーなどが対象。暗号化していたものも鍵ごと読まれた
  • 運営者は、パスワード・APIキー・プレビューURL・連携の切り替えと、フォームの送信者への対応を
  • フォームの回答はためない、鍵はデータと別に守る
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出典

本記事は2026年10月27日時点の公式発表に基づく。件数や原因は調査中で、続報で変わる可能性がある。「この件から考えたいこと」は筆者の見方である。

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北海道のWEB屋

北海道を拠点に、Web業界14年・サポート実績1,000件以上。WordPressの復旧、サーバー移転、独自ドメインとメールの設定、PHP・JavaScriptの修正まで対応します。相談と見積もりは無料です。

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