バックアップは戻った。でも「取れなかった人」を分けた機能はまだ止まっている
IDCFクラウドのバックアップサービスが再開しました。一方、495社を194社と301社に分けたスナップショット機能は、まだ停止中です。

この記事の結論
- バックアップサービスの提供が再開した
- スナップショット機能は、まだ停止中
- 再開したほうは他社の環境へも復元できる
- バックアップサービスの提供が再開した
- スナップショット機能は、まだ停止中
- 再開したほうは他社の環境へも復元できる
IDCフロンティアが10月18日、第6報を公表した。4日前に書いた「495社のうち194社」の続きになる。
短い発表だが、2つの機能の扱いが分かれているのが読みどころになる。
再開したもの
提供を停止していた「IDCFクラウド バックアップ」について、安全性の確認が完了したことからサービスの提供を再開します。
これまで、障害の影響を受けていない他のゾーンやリージョンの利用者に対しては、予防措置としてデータのバックアップを取るよう案内されていた。
ただし取る手段そのものが止まっていた。第5報では「より簡便に取得いただくための方法を準備中」とされていた部分が、今回動いたことになる。
他社の環境にも戻せる
再開の案内に、こう添えられている。
バックアップデータを速やかに取得できるようになる他、IDCFクラウド以外のクラウド環境やオンプレミス環境などにデータを復元することができます。
これは地味だが大きい。同じ事業者の中に戻すだけではないということだ。
今回のように基盤そのものが攻撃を受けた場合、同じ場所に戻しても不安が残る。外へ持ち出せる形で取れるなら、別の場所へ移すという選択肢が生まれる。
まだ止まっているもの
一方で、こう書かれている。
なお、「スナップショット機能」は、安全性の確認のために現在も提供を停止しています。
4日前に書いたとおり、この機能を使っていた194社だけがデータを取り出せた。495社のうち約4割だ。
つまり助かった人を分けた機能が、いま止まっていることになる。
2つの機能の違い
| バックアップ | スナップショット | |
|---|---|---|
| 性質 | データを別に保管する仕組み | ある時点の状態をそのまま保存する機能 |
| 戻せる先 | 他社のクラウドや自前の環境にも | 同じ基盤の中 |
| いまの状態 | 再開 | 停止中 |
先に戻したのが外へ出せるほうだったのは、順番として理にかなっている。
同じ基盤の中に状態を保存する機能は、その基盤の安全が確認できるまで戻せない。一方、外へ持ち出す仕組みなら、持ち出し先が無事であればいい。
確認しておきたいこと
この件から、自分の環境で見ておく項目を挙げる。
- いま使っている控えの仕組みは、どちらの性質か — 外へ出せるか、同じ基盤の中か
- 外へ出せるなら、出す先は決まっているか — 決めていないと、いざというとき動けない
- 出した控えから、実際に戻せるか試したことがあるか
- その仕組み自体が止まったら、どうするか
4番目が今回の教訓になる。控えを取る手段そのものが止まりうる。
「バックアップを取っておけばいい」という話は何度も書いてきたが、取る仕組みが事業者側にあるなら、それも一緒に止まる。手元に何も残らない期間ができる。
4日間で動いた範囲
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 10月7日 3:40頃 | 不正アクセスによる障害が発生 |
| 10月14日(第5報) | 流出の痕跡なしと判断/194社はデータ取り出しが可能と確認 |
| 10月18日(第6報) | バックアップサービスを再開 |
障害の発生から11日が経っている。
第5報で「取り出しは困難と見込んでいたが、安全性が確認できた」と方針が変わり、今回は提供の再開まで進んだ。少しずつ戻している形になる。
一度に戻さない
この秋の他社でも同じ判断が続いている。コミックシーモアは「購入済み書籍の閲覧から順次」とし、カーセンサーも安全性の確認が先だとしている。
安全が確認できたものから戻す。確認が済んでいないものは止めたままにする。順序としては、これが正しい。
まとめ
- バックアップサービスの提供が再開した
- 再開したほうは他社のクラウドや自前の環境にも復元できる
- スナップショット機能は、安全性の確認のため停止中
- 495社を194社と301社に分けた機能が、いま止まっている
- 外へ出せる仕組みのほうが先に戻ったのは、順番として理にかなう
- 控えを取る手段そのものが止まりうる。そこまで考えておく
- 障害の発生から11日。少しずつ戻している
出典
- 株式会社IDCフロンティア「【第6報】バックアップサービスの提供再開について」(2026年10月18日)(バックアップサービスの再開、復元先の範囲、スナップショット機能の停止継続)
- 同「【第5報】不正アクセスによる障害に関する調査の進捗について」(2026年10月14日)(495社のうち194社という件数、スナップショット機能の説明)
本記事は2026年10月18日時点で公表されている内容に基づく。スナップショット機能の再開時期は示されていない。本記事は法的な助言ではない。
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