ドット絵のIT会社経営ゲーム「IT起業伝」を作っています。1977年の札幌から50年、2026年12月リリース予定
1977年の札幌のマイコン研究会から始まり、押し入れの机での起業、テクノパークの自社ビル、駅前の本社タワーでの株式上場まで。IT業界の50年をドット絵でたどる経営シミュレーション「IT起業伝」を、2026年12月にSteam・スマホ・パソコン向けにリリースする予定です。開発の進め方と、椅子をすり抜ける社員や「ドアのない会議室」などの開発秘話をまとめます。

この記事の結論
- ドット絵で描いたIT会社の経営シミュレーション「IT起業伝 〜ドット絵でつくるベンチャー50年〜」を作っている。2026年12月に、Steam・スマホ・パソコン向けにリリースする予定だ
- 1977年の札幌、大学のマイコン研究会から始まり、押し入れの机で起業し、テクノパークの自社ビル、札幌中心部のオフィスを経て、駅前の本社タワーで株式上場するまでをたどる
- 社員が椅子をすり抜ける、会議室にドアがない、といったつまずきも含めて、開発の記録を残しておく
- ドット絵で描いたIT会社の経営シミュレーション「IT起業伝 〜ドット絵でつくるベンチャー50年〜」を作っている。2026年12月に、Steam・スマホ・パソコン向けにリリースする予定だ
- 1977年の札幌、大学のマイコン研究会から始まり、押し入れの机で起業し、テクノパークの自社ビル、札幌中心部のオフィスを経て、駅前の本社タワーで株式上場するまでをたどる
- 社員が椅子をすり抜ける、会議室にドアがない、といったつまずきも含めて、開発の記録を残しておく
どんなゲームか

小さな会社を立ち上げ、案件を受けて納品し、仲間を増やし、オフィスを広げていく経営シミュレーションだ。ゲームの中の時間は1970年代の終わりから2020年代まで進み、その間のIT業界の移り変わりを、会社を育てながら体験する。
遊び方は二つある。
- 札幌の物語:大学のマイコン研究会から始まる、序章と7章の物語。札幌の街を舞台に、会社が大きくなっていく
- 自由に経営:物語なしで、自分の判断で会社を大きくしていく
ブラウザで動き、パソコンでもスマホでも遊べる。ホーム画面に追加すればアプリのように使え、オフラインでも動く。日本語と英語に対応した。
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 年代 | 1980年代〜2020年代の5つ |
| 物語の章 | 序章+7章 |
| 物語の出来事 | 48 |
| 時事ニュース | 60 |
| 技術スキル | 32(COBOLから生成AIまで) |
| 社内勉強会のクイズ | 120問(基本情報技術者試験の分野) |
| BGM | 年代×季節で20曲 |
| 社員の数 | 本社タワーでは数百人規模 |
| プログラム | JavaScript 72ファイル・約1万4千行 |
札幌の物語をたどる

物語は1977年、大学のマイコン研究会から始まる。最初にやるのは、部品を一つずつ置いてマイコンを組み立てるミニゲームだ。

そして1981年、アパートの押し入れの机で起業する。畳の部屋にブラウン管のパソコンが一台。最初の依頼は、給与計算のような業務のソフトだ。

会社が育つと、テクノパークの区画を選んで自社ビルを建てる。札幌の地名やできごとを、物語の節目に入れている。

1990年代の半ばには、地元にサッカークラブが生まれ、スポンサーのお願いが届く。実在のクラブ名は使わず、架空の「ドサンコオーレ札幌」にした。エンブレム、マスコット、ユニフォーム姿の応援まで、専用のドット絵を描いた。

毎年の入社式では、新卒、中途、高卒の新しい仲間を迎える。社員には年齢があり、60歳で定年を迎えると送別会をする。永年勤続の表彰や創立記念もある。

社員を育てる仕組みの一つが社内勉強会のクイズだ。基本情報技術者試験の分野から120問。遊びながら、IT業界の基本も身につく。

案件を納品すると、コインが所持金へ飛んでいき、レベルが上がると光の柱が立つ。

2000年代には札幌中心部へ移転する。季節も巡り、12月にはオフィスの外に雪が降る。

そして最後は、駅前の本社タワーで株式上場。東京や大阪、アジア、ヨーロッパにも拠点を持つ会社になっている。

開発の進め方
先に描いておいたドット絵の素材から始めて、遊んでは直すをくり返して組み上げた。
- まず遊べる形に:素材から、スマホでもパソコンでも遊べるゲームの形にした。入れたい機能を、一つずつ足していった。英語版もこの段階で作った
- スマホで遊んで確かめる:一時的な公開URLを使って、スマホで遊びながら直した。ドット絵はスーパーファミコン風に打ち直して、すべて差し替えた
- 物語と会社の暮らし:「札幌の物語」モードを入れ、BGMを年代×季節の20曲にそろえた。社内勉強会のクイズ、社員の年齢と定年、入社式、サッカークラブ、SES(客先常駐)の案件も入れた
- 演出と大きな会社向けの機能:ドットの演出(納品のコイン、光の柱、花火、季節の雪・桜・落ち葉、実績解除の帯)を入れ、社員が数百人になっても遊びやすい機能を足した
開発秘話
社員が椅子をすり抜ける
最初の紹介動画を見て、社員が椅子や家具をすり抜けているのに気づいた。斜め上から見下ろす絵(アイソメトリック)では、どれを手前に描くかの判定が難しい。家具にもぐり込む社員や、部屋の枠からはみ出すホワイトボードを、一つずつ直していった。
会議室にドアがない
大きなオフィスの会議室にドアがなく、入った社員が出られなくなっていた。絵としては成り立っていても、人が歩くと矛盾が見える。
印刷会社がバスの運行システムを頼んでくる
物語の案件で、依頼主と仕事の中身がちぐはぐなことがあった。印刷会社がバスの運行管理システムを発注する、といった具合だ。業種ごとに、頼みそうな仕事だけが出るように直した。
「8人までしか雇えないのに、条件が14人」
次の拠点へ移る条件が、今の部屋の定員より多くなっていた。これでは先へ進めない。「隣の部屋も借りますか?」と聞く仕組みを足して解決した。
社員に年齢がなかった
遊んでいて「人物に年齢の定義はなし?」と気づいた。生まれ年、60歳の定年、年齢による伸び方の違い、新卒と中途の採用を入れ、年代と年齢ごとのドット絵も描き足した。50年を描くゲームで、社員がずっと同じ姿のままでは物語にならない。
絵の雰囲気を守るための取捨選択
ドット絵を作る別の道具も試したが、雰囲気がまったく変わってしまったので使わなかった。代わりに、演出だけを足せるpixelfx(MITライセンス)を選んだ。
季節の雪や桜を入れたときは、画面に濃さの違う帯ができた。原因は、演出が背景に「夜空のもや」を薄く塗っていたこと。もやを塗らないようにして直した。
大きな会社になってからの「めんどう」
社員が300人を超えると、フロアを見て回る、一人ずつ研修させる、目当ての人を探す、といった手間が一気に増えた。そこで、フロアの自動切り替え、研修と勉強会をまとめて選べるお知らせ、社員の検索と絞り込みを足した。

小さな会社のときには要らなかった機能が、会社が大きくなると要る。これは現実の会社とも同じだと思う。
紹介動画もプログラムで撮る
紹介動画は、ゲームの場面をPlaywrightで自動で再現して録画し、ffmpegで字幕、BGM、効果音と合わせている。機能を足すたびに撮り直せるようにするためだ。X用の縦動画は、パソコンの画面を切り抜くのではなく、スマホの縦画面でそのまま録画した。
使った技術
- ゲーム:HTML、CSS、JavaScript(フレームワークなし)、Canvas。Service Workerでオフラインでも動く
- ドット絵の素材づくり:Python(Pillow)の自作スクリプト、Tiled(マップ)
- 演出:pixelfx(MITライセンス)
- 動画:Playwright(自動録画)、ffmpeg(編集)
- 確かめ方:一時的な公開URLを使い、スマホで遊んで確かめた
リリースの予定
- 時期:2026年12月(予定)
- 遊べる環境:Steam、スマホ、パソコン
- 言語:日本語、英語
ストアのページや配信日が決まったら、このサイトでお知らせする。
まとめ
- 「IT起業伝」は、1977年の札幌から50年、IT会社を育てるドット絵の経営シミュレーション。2026年12月リリース予定
- 札幌の物語と自由に経営の二つのモード。社内勉強会のクイズ120問、年代×季節のBGM20曲
- すり抜ける社員、ドアのない会議室、定員より多い移転の条件など、遊んで気づいたことを一つずつ直した
出典とクレジット
- 開発の記録と画面:作者による開発メモとスクリーンショット
- 演出のライブラリ:pixelfx(MITライセンス)
画面の会社名「ドット商会」と社長名「北野ハル」は撮影用の名前。「ドサンコオーレ札幌」は架空のクラブで、実在の団体とは関係がない。内容は開発中のもので、リリースまでに変わることがある。
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